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DNAストレージのデータ密度が大幅向上、215ペタバイト/グラムの保存・復元に成功: Science誌

従来を大幅に上回る密度のデータをDNA分子に記録し、それを復元することに成功したDNAストレージ技術に関する研究結果がScience誌に発表されています。

DNAストレージというのは、DNAを構成しているアデニン、グアニン、シトシン、チミンという4つの分子の配列パターンを用いてデジタルデータを保存しようというもので、電子材料を用いた記録媒体に比べてコンパクトであることや、適当な環境下では1000年以上に渡って情報を保持可能である事が利点として挙げられます。

ニューヨークゲノムセンターのYaniv Erlich氏とコロンビア大学のDina Zielinski氏は今回、独自に開発した「DNA Fountain」というアルゴリズムを用いて、1895年のフランス映画や50ドルのAmazonギフトカード、OSファイルなど日常的に使用されているデータファイルをエンコード。そのデータに基づいてDNA分子を合成し、2週間後に得られたDNAをシーケンサーでデコードしたところ、元のデータを完全に復元することが出来たとしています。

今回の研究では、データ密度が1グラムあたり215ペタバイトと報告されており、2013年に欧州バイオインフォマティクス研究所がNature誌に発表した「1グラムあたり2.2ペタバイト」という値の100倍相当の容量増加が達成されたことになります。

DNAストレージの主な研究成果は英語版WikipediaのこちらのページのReferencesからたどる事が出来ます。

現状では1メガバイトあたり3500ドル (約40万円) のコストが必要であることから容易にスケールアップすることは出来ないものの、これは高品質のDNAを使用しているためであり、今後安価な分子によるプロセスを開発することにより改善の余地があるとのことです。

ちなみに、今回の研究でDNA分子の合成を行なったのはTwist Bioscience社という米国のスタートアップ企業ですが、マイクロソフトは2016年に同社へ出資しているほか、自社でもDNAストレージの研究を行なっています

This article is based on:
DNA Fountain enables a robust and efficient storage architecture (Science)
via
DNA could store all of the world’s data in one room (News from Science)
What’s Stored in DNA? An Old French Movie and a $50 Gift Card (The Wall Street Journal)
Researchers increase the storage capacity of DNA to 214 petabytes per gram (Etremetech)

画像はPixabayより引用

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